こんにちは、風見です。
今回は「VYMでの高配当株投資は再現性が高いという点でオススメ」というテーマについてお話ししていきたいと思います。
- 「高配当株投資に興味がある」
- 「高配当株投資は最近調子が悪いみたいだけど大丈夫?」
- 「VYMって良いETFなの?」
など、疑問に思っている方にとって参考になると思います。
先日このようなツイートをしました。
https://twitter.com/hirofumi_kzm/status/1288633216698470400
👑VYMでの高配当株投資は再現性が高い。
🔽VYMは高配当だけどバランスが取れている点が強みです。
- 分散が効いているので無配化の心配なし。
- 配当利回りはそこそこ高い。
- 株価リターンもそこまで悪くない。
市場平均よりも劣後しがちですが、配当をKPIとしている人には安心できる銘柄ですね🍀
このような内容です。
今回はこのツイートを深掘りしつつ、高配当株の魅力や懸念点、VYMの特徴や投資実績をお話ししていきますので、ぜひ最後までお付き合い下さい。
最初に簡単に自己紹介させて頂きます。
わたしは給与所得を全世界株式への投資に回して、一部を米国株式ETFや個別株に投資しています。ポートフォリオのざっくりとした内訳はこの円グラフの通りです。
個別株にも投資をしていますが、基本的にはインデックス投資を主軸においた運用をしています。
目次
米国高配当株ETF:VYMの概要
それでは先ずは、VYMの概要をお話しします。
VYMは正式名称をバンガード・米国高配当株式ETFといいます。設定日は2006年で同じ高配当ETFであるHDVの2011年やSPYDの2016と比べると古いETFで、リーマンショックを経験している珍しい高配当ETFです。
ベンチマーク指数はFTSE•ハイディビデンド•イールド•インデックスで、簡単にいうと大型株の中から予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄で構成されているETFです。
純資産は263億ドルとなっており、同じ高配当ETFであるHDVが57億ドル、SPYDが20億ドルなので設定日が最も古いこともあり、ETF純資産額としてはぶっちぎりでTOPです。
経費率は0.06%となっており、日本で買えるメジャーな投資信託と比べるとかなり低い経費率だと言えます。
日本の現時点でのメジャーな投資信託の最安値は0.09%なので、その安さが分かりますね。
配当利回りは通常時は約3%でSP500連動ETFであるVOOが1.88%なので、市場平均を上回る配当利回りとなっています。
組入銘柄数は約400銘柄となっており、HDVやSPYDの70−80銘柄と比較するとかなり多く組み入れています。
400銘柄とかなり分散度が高いにも関わらず、市場平均よりも1ポイントほど配当利回りが高いのは非常に魅力的だと思います。
高配当ETF VYMの特徴とは
VYMの特徴としては次の2点が挙げられます。
高配当ETFの中で唯一リーマンショックを経験済み
先ず1つ目はVYMは2006年設立なので、高配当ETFの中で唯一リーマンショックを経験している点が特徴として挙げられます。
配当株で不労所得を狙っている投資家にとって一番怖いのは減配リスクです。
100年に一度と言われるリーマンショックの際にどのような動きをしたかを知れることはメリットだと思います。
VYMの分配金はリーマンショック前後で1.56ドルから1.08ドルと約30%も下落しましたが、その後、2019年までの間で2.7ドルにまで成長しています。
配当利回りは2009年3月の6.29%が最高で、2011年の2.45%が最低の数値です。
リーマンショック級の暴落が来ると株価は下落し、分配金も下落しますが、その分配当利回りは上昇して、旨味は増します。
さらにその後も株価だけではなく、分配金も増配を続けた実績があることから、信頼できるETFだと言えるかなと思います。
大型株の中から高配当の株を選別
2点目の特徴としてはJohnson&JohnsonやP&G、Intelなどの日本でもお馴染みの超優良銘柄で構成されており、米国だけでなく世界を股に活躍している企業が多いことが挙げられます。
元々はMicrosoftも入っていましたが、ここ最近の株価成長により配当利回りが低下したことで構成銘柄から外れました。
このように大型株としての堅実、着実な成長を狙いながら、配当利回りが低くなった時点で構成銘柄から除外されるというのが特徴のETFです。
VYMの投資実績 vs S&P500(SPY)
それでは次にS&P500連動ETFのSPYとのパフォーマンス差を見ていきましょう。
青色のグラフがVYM、赤色がSPYです。
左側のグラフはリーマンショック発生前の2007年1月からのリターンを表しています。
これを見てみると2018年辺りまではVYMはSPYとほぼ同等のトータルリターンを出してきたことが分かります。
ただし、2018年からは明らかにSPYに対して劣後するようになり、2020年のコロナショック後の現在は株価回復が遅れており、SPYとのリターンの差はこれまでの中で最も大きくなってしまっています。
要因としては、やはり2018年以降、市場を牽引してきたグロース銘柄・ハイテク銘柄の比率がVYMは市場平均と比べてかなり少ないことが最大の要因となっています。
この期間の年率平均リターンはVYMは6.43%、SPYは8.12%となっており、年率換算でも2ポイントも開けられる形になっています。
また下落に対する投資効率を表すソルティノレシオもSPYに劣っており、下落耐性やそこからの回復スピードも市場平均に劣後してしまっています。
一方で右側のグラフはインカムゲインの推移を表していますが、これをみるとやはり一貫してVYMの方がより多くのインカムゲインを記録していることから、トータルリターンではなく、インカムゲインをKPIとしている投資家にとっては安心できる推移となっているのかなと思います。
VYMでの高配当株の魅力・メリット
では、ここまででVYMの概要や特徴、市場平均と比較した時のパフォーマンスの実績推移をお話ししましたので、ここからはVYMでの高配当株投資の魅力と懸念点をまとめていきます。先ずは魅力を3つお話ししたいと思います。
分散が効いているので無配化の心配がほぼない
先ず一つ目のVYMへの投資のメリットとしては、十分に分散が効いているので無配化の心配がほぼ必要ない点が挙げられます。
減配することはもちろんあるのですが、リーマンショックの時でさえ30%の下落で済んでいますので、VYMが完全に無配化することはなかなか考えられません。
個別株の場合はどうしても無配化リスクは抱えてしまうので、高配当株投資家にとっては非常に大きい魅力だと言えます。
売らなくても利益確定できる
魅力の2点目としては、株式の売買をせずに利確できる点が挙げられます。
売買しないということは失敗しにくいということに繋がります。
どういうことかというと投資家はどうしても感情に左右された売買をしてしまい、結果として高く買って安く売るという、最も回避すべき投資をしてしまいがちです。
このグラフは投資家心理を表したものですが、周りが儲かっていてるのをみると感情的に熱くなり、高い株価で買ってしまい、株価が下がって周りがパニックになっている時は自分も冷静さを失い、売却してしまうというものです。
これは分かっていてもなかなか回避するのが難しいので、売買をしなくても利益を確定できるというのは、強みとして挙げられると思います。
積み上る配当額をモチベーションに長期投資につながる
魅力の3点目としては、積み上がる配当額が長期投資のモチベーションに繋がる点が挙げられます。
含み益の状態は株価の上下によって増えたり減ったりしますが、配当額はシンプルに積み上がっていくだけです。
受領する配当額だけをKPIとすれば、日々の株価に感情を左右されずに、また株価が急落する場面でも配当額は積み上がっていくので精神的にも健康な状態をキープする助けになってくれます。
株式投資の基本は市場に長く居続けることです。精神状態を健康的な状態でキープすることで長期投資に繋がる点というのは非常に大きなメリットと言えます。
VYMでの高配当株投資の懸念点・デメリット
それでは次にVYMによる高配当株投資のデメリット・懸念点をお話しします。
配当利回りがそこまで高いわけではない
懸念点の一つ目としては、VYMの配当利回りはそこまで高いわけではない点が挙げられます。
例えばアーリーリタイアに向けて配当を積み上げている人にとっては、VYMの配当利回りは「少し物足りない」かもしれまけん。
確かに400銘柄に分散投資をして、市場平均よりも1ポイント高い利回りなので、魅力といえば魅力なのですが、高配当株投資家の人は私の感覚的には4%以上は配当利回りとして求めていると思います。
一旦税金のことを除いて考えますが、年間250万円の配当を受け取ろうと思うと、配当利回りが4%の場合は6250万円の資金が必要です。
一方で、配当利回りが3%の場合は8300万円必要になります。この2000万円を大きいと考えるか小さいと考えるかは人次第ですが、年収1000万円の人が投資に回せるお金が3割の300万円だとすると6年以上、アーリーリタイアの年数が先延ばしになります。
このように高配当とは言え、配当利回りがそこまで高くないというのが、VYMの懸念点の一つ目です。
配当に都度課税されるので再投資する場合は効率が悪い
次に、これはVYMに限った話ではありませんが、配当は受領するたびに課税される為、もし配当を再投資する場合は課税している分、期待リターンが下がってしまうことになります。
100円の配当があるとして、投資信託の再投資型を選択していた場合は、100円が投資信託購入に充てられます。
一方で、VYMの場合はアメリカ現地課税で約10%、その後に日本での課税で約20%が課税されて、残るのは約72円となります。
投資信託で100円を再投資する場合に比べると72円を再投資するのは効率が悪いですよね。
この再投資する場合に、課税額分の効率が悪くなるというのが2点目のデメリットです。
市場平均よりも大きく下落した時の失望感
3点目のデメリットは、「市場平均よりも大きく下落した時の心理的ダメージが大きい」ということが挙げられます。
というのも、高配当株投資は、そのメリットとして「配当利回りが株価下落のクッションになることがある」と言われることがあります。
例えば、元々の株価が100円で配当が5円の株の配当利回りは5%ですよね。
仮にこの株の株価が80円まで下落したら、見た目上の配当利回りは6.25%となります。
このように高配当株というのは「株価下落により配当利回りが高くなるので、高配当につられて買いに来る投資家が一定層いる」ことや、「株価が落ちても配当が出ることで狼狽売りをしにくく、下落圧力を押し留める役割が期待できる」と言われたりします。
実際にそのようなクッション材の効果を発揮してくれる時もあるのですが、残念ながら発揮しないこともあります。
今回のコロナショックがクッション材の効果を発揮しなかった良い例ですね。期待していた効果が出ないということで心理的に焦り、失望が生まれて、狼狽売りに繋がる可能性があるというのが3点目のデメリットです。
高配当株ETF VYMへの投資考察まとめ
以上、いかがでしたでしょうか。
今回は高配当株ETFのVYMの特徴や投資メリット、デメリットを紹介しました。
最後に少しネガティブな話をしましたが、私個人の意見としては、パフォーマンスの推移のところでもみた通り、高配当株の中では最も株価と配当のバランスが取れているETFだと考えています。
この記事を執筆している2020年7月末現在は市場平均よりも株価の戻りが遅れていますが、設定来のパフォーマンスを見るとおおよそトータルリターンはしっかりと市場平均に追随していました。
短期的に判断をするのではなく、長期的なデータや傾向、自身の投資方針をしっかりと考えた上で投資判断をして頂ければと思います。
以上、皆さんの投資生活の参考になっていれば幸いです。
それでは皆さん、今日も素敵な1日をお過ごし下さい!