こんにちは、風見です。
今回は米国株の中で2020年上半期の株価パフォーマンスが最も良かった銘柄をセクター毎に3つずつ紹介していきます。
今回紹介するセクターは
- 通信
- 一般消費財
- 金融
- ハイテク
の4つのセクターです。
ハイテクや一般消費財はパフォーマンスが良さそうだなと思われる方も多いと思いますが、金融セクターの中でも今回あげる3つは異色の存在なので、コロナ禍の中でもたくましい成績を残しています。
全体的に追い風を受けている印象はありますが、それでも今後も高い成長が期待できる優良銘柄が多く、要チェック銘柄が並んでいます。
ぜひ最後までお付き合い下さい。
最初に簡単に自己紹介させて頂きます。
わたしは給与所得を全世界株式への投資に回して、一部を米国株式ETFや個別株に投資しています。
ポートフォリオのざっくりとした内訳はこの円グラフの通りです。
個別株にも投資をしていますが、基本的にはインデックス投資を主軸においた運用をしています。
通信セクター
はい、それでは本題です。
先ずは通信セクターの上半期TOP3を見ていきましょう。
通信セクター全体としては年初来±0くらいのパフォーマンスでしたが、その中でも今からあげる3銘柄は強烈なパフォーマンスを見せています。
Netflix:+40%
通信セクターの第一位はNetflixで年初来+40%の株価となりました。
Netflixはアメリカ最大の月額定額制の動画配信事業を行っている会社です。
世界190か国以上でサービスを展開し、2億人近い会員数を誇ります。
日本でも2015年にサービスを開始しています。
私も海外出張が多かった時期はNetflixを契約していました。
手持ちのデバイスにダウンロードして機内でも視聴できたり、ちょっとしたスキマ時間にデータ通信を気にせずに気になる番組や映画を視聴できるのが魅力ですね。
素晴らしいサービスだとは思っていたのですが、サービス開始当初は他社でも真似できる事業で、実際にAmazonも同様のサービスを展開していたので、個人的にはここまで株価が成長するとは考えていませんでした。
上半期は特に世界中の巣篭もり需要で会員数が増えたことが好感され、株価は上昇しました。
T-mobile:+32%
通信セクター第2位はT-Mobileです。
T-mobileはアメリカの通信大手でアメリカ3番手の位置づけです。
同4番手のスプリントとの合併に向けて協議中で司法省が合併承認に動くことが予想された結果として株価が上昇していたようです。
また、そもそもテレワーク需要増は同社の事業には追い風だったことも影響していると考えられます。
Activision Blizzard:+27%
そして第3位がアクティヴィジョンブリザードです。
社名は聞いたことがない人がほとんどだと思いますが、アクティビジョンブリザードはアメリカのゲームソフト制作大手の企業です。
ゲーム事業としてはオンライン、PC、モバイル向けと多岐にわたっています。
ゲームをしている方なら知っているかも知れませんが、「コールオブデューティ」「オーバーウォッチ」「フォートナイト」を手掛けています。
こちらも同様に巣篭もり需要により好感された形ですね。
一般消費財セクター
それでは次に一般消費財セクターを見ていきましょう。
一般消費財セクターはセクター全体でも年初来+7%となっており、他セクターほど影響を受けていませんでした。
そしてその中でも素晴らしいパフォーマンスを示したのが次の3社です。
Amazon:+49%
一般消費財セクターで最も好調だったのは、やはりAmazonでした。
一時期は高値から37%も下落しましたが、食料品や日用品の巣篭もり需要が世界的な急拡大したこと、primevideoが好調だったこと、テレワークの推進によりクラウドサービスも好調だったことで株価は急回復し、過去最高を更新しています。
もはや、Amazonに死角なしという感じですね。
eBay:+45%
一般消費財の第二位は世界最大級のEC企業であるeBayでした。
eBayは個人や企業が商品を売買できるマーケットプレイスを提供しており、世界190カ国以上で2億人近いユーザーが利用しています。
競合としてはAmazonやウォルマート、shopifyなどが挙げられます。
ちなみに電子決済で有名なPayPalは、eBayの決算部門からスピンオフされた企業です。
Tractor Supply:+41%
そして第3位には意外な企業が入ってきました。
トラクターサプライです。
トラクターサプライはアメリカの農場の小売店の運営を行っており、農家や牧場経営者などに対して工具製品や園芸品、作業用衣類などを取り扱っている会社です。
簡単にいうと農業系に特化したホームセンターみたいなイメージだと思います。
ニッチな業界を専門としているのでAmazon拡大の被害をあまり受けていない印象です。
金融セクター
さて、では次に金融セクターを見ていきたいと思います。
金融セクターは金利の低下や貸し倒れリスクなどにより、セクター全体としては−23%と大きく下げており、エネルギーセクターに続いてパフォーマンスが悪いセクターでした。
一方で、そんな中でも一般的にイメージする金融業とは一味違う銘柄達が奮闘しました。
Market Axess:+32%
金融セクターで最も堅調なパフォーマンスを見せたのは、MarketAxess Holdingsでした。
同社は機関投資家向けの信用市場の電子取引プラットフォームを運営している企業です。
機関投資家やディーラーが社債などの債権の信用取引をする際に利用しているプラットフォームを展開しています。
株式に関しては日米問わず様々な電子取引が急速に拡大し、特に不便に感じることも少ないですが、債権取引・債権投資はまだまだそういったプラットフォームの整備が未整備な状態です。
Market Axessは最新のツールを提供することで市場自体の拡大と市場シェアを伸ばしています。個人的に要注目の企業です。
MSCI:+29%
次に好調だったのはMSCIです。
MSCIというと様々なETFや投資信託の投資対象となるインデックスのイメージが強いですが、そういった指数を作っている会社がMSCI、Morgan Stanley Capital Internationalです。
各金融機関はMSCIからライセンスを付与され、MSCIの算出する指数をベースにしたETFを世界各国で展開しており、金融業界のインフラと言える存在ですね。
世界的にアクティブ運用からパッシブ運用に資金が流れていますが、そういったトレンドの恩恵を受ける企業です。
投資運用会社のブラックロックからの収益が全体の10%ほどを占めています。
S&P Global:+20%
金融セクターで次に好調だったのがS&P Globalです。
MSCIと同様に各種インデックスを金融機関に提供しており、最も有名なのはS&P500ですね。
他にも企業格付けやマーケット情報の発信などで収益を上げています。
ハイテクセクター
最後に取り上げるセクターは情報技術セクターです。
情報技術セクターはコロナ禍でも最も影響を受けなかった、というよりも追い風を受けたセクターでした。
セクター全体でも年初来で+15%と昨年から引き続き堅調なパフォーマンスを見せました。
Nvidia:+61%
ハイテクセクターでトップのリターンを残したのはNVIDIAでした。
NVIDIAはゲームなどで高速で画像処理を行う半導体、GPUを提供している会社です。
パソコンでゲームをする人や動画編集をする人は高い性能のGPUが必要なので、詳しいかもしれませんが、普通にインターネットを使ったり、officeワークでパソコンを使っている人はあまり意識しない部品の一つだと思います。
ただGPUは今後も高い成長が見込まれています。
特にVRや自動運転などで高速で画像処理を必要とする分野での活用が期待されており、NVIDIAはその筆頭にいると言えます。
実際に自動運転の分野ではテスラやトヨタ、BMWなどとも協業しています。
これまではゲームやパソコンの一部品としての役割が大きかったので景気敏感株らしく株価が大きく上下に触れていましたが、今後はIT業界だけに止まらず、各種業界でのインフラの役割を果たすようになっていけば、株価も安定した右肩上がりの曲線を描いてくれるかもしれませんね。
PayPal:+61%
ハイテクセクターでNVIDIAの次に好調だったのがPayPalです。
PayPalは全世界で3億人以上のアクティブユーザーを抱える電子決済サービスを提供している企業です。
日本ではあまり普及していませんが、セキュリティを重視した仕組みは世界的に広く受け入れられています。
1998年にピーター・ティール氏とテスラのCEOであるイーロン・マスク氏によって創業された会社です。
ECサイトなどでの決済が増えたため、業績面ではプラスに働き株価が上昇しました。
Service Now+:43%
PayPalの次に好調だったのが、ServiceNowです。
ServiceNowは一言で言うと企業の業務効率化をサポートしてくれるサービスを展開するテクノロジー企業です。
いわゆるSaas銘柄となります。おそらく日本ではまだまだ知名度こそ高くはありませんが、アメリカのフォーブス(Forbes)誌が毎年発表する世界の企業TOP2000のうち44%の企業がServiceNowを利用しており、北米に限ると71%の企業が使っているそうです。
ジョンソンエンドジョンソンやモルガン・スタンレーなど大企業の名前がズラリと並んでいます。日本企業でもパナソニック、NTTデータなどが採用しています。
まとめ
以上、4つのセクターのトップ3の企業を計12社紹介しましたが、皆さんの保有銘柄は入っていましたでしょうか。
今回紹介した銘柄は、コロナの影響でマイナスの影響を受けるどころか、巣篭もり需要やテレワーク、次世代技術などで今後も高い成長が期待できる銘柄達でした。
短期的には相対的に割高になっている可能性はありますが、数年単位で見れば今後も成長していくことが期待できると思います。
今回は2020年の上半期の株価パフォーマンスが良かった企業をざっくり紹介しましたが、今回紹介した銘柄で皆さんからの反響が大きかった銘柄は個別銘柄分析と言う形で記事化していきたいと思います。
以上、最後までお付き合い頂きありがとうございました。
それでは皆さん、今日も素敵な1日をお過ごし下さい!