今回は「S&P500が最高値を更新した今は売り時か?」というテーマでお話ししていきます。
こんにちは、「今まで見た映画で1番心に刺さったのはイエスマン」の風見です。
先日このようなツイートをしました。
https://twitter.com/hirofumi_kzm/status/1299547122820243456
👑S&P500最高値更新❗️今は売り時❓
米国主要指数が最高値更新で少し過剰感がありますが、今は売り時でしょうか❓
個人的には
- 最高値更新後のリターンは歴史的に高いということ
- いつが高くていつが安いかは分からないということ
- そもそも売買は難易度が高い
という3つの理由から、今は売り時とは考えていません✨
私は短中期ではなく長期投資なので、コツコツ積み上げるのみです☺️
こういった内容です。
今回はこのツイートを深掘りする形で私が今は売り時ではないと考えている根拠をデータとグラフをお見せしながら解説していきます。
- 「株を売ろうか悩んでいる」
- 「最高値更新後のリターンを学びたい」
- 「長期投資家としての最適なアクション案を知りたい」
といった方に有益な内容ですので、ぜひ最後までお付き合い下さい。
最初に簡単に自己紹介させて頂きます。
わたしは給与所得を全世界株式への投資に回して、一部を米国株式ETFや個別株に投資しています。
ポートフォリオのざっくりとした内訳はこの円グラフの通りです。
個別株にも投資をしていますが、基本的にはインデックス投資が中心です。
最高値更新でも売り時ではない3つの理由
はい、それでは本題です。
ここからは私が、最高値を更新している状況でも今が売り時ではないと考えている3つの理由を紹介していきます。
最高値を更新した後のリターンは歴史的に高い
先ず1つ目の理由が「歴史的に最高値を更新した後のリターンは歴史的に高い」からです。
このデータは1926年から2018年年末までのS&P500のデータを元にS&P500が最高値を更新してからの1年、3年、5年間の年率平均リターンを表しています。
このグラフをみると、最高値更新した1年間のリターンは14.1%、3年間は10.4%、5年間は9.9%だったということが分かります。
仮に今、持っている株式を売却し、たまたま株価が下がったところで再度市場に参入できればいいですが、出来なかった場合はこのリターンを逃すことになります。
S&P500はこれまで基本的には右肩上がりの相場だったので、当然といえば当然のデータです。
ただ、今後もアメリカ市場、S&P500が成長していくという前提で投資をしている人にとっては、最高値を更新しているということが売りのサインにはならないと言えるのではないでしょうか。
「最高値を更新した後のリターンは歴史的に高い」というのが、先ず1点目の理由です。
いつが高くていつが安いか分からない
次に、今が売り時ではないと考えている2点目の理由は「いつが高くていつが安いかというのは分からない」からです。
「市場最高値を更新しているんだから、明らかに割高でしょ!」
と考えている方もいらっしゃると思いますが、少しお待ちください。
このグラフはある銘柄の約10年間の株価の推移を表しています。
このチャートを見て皆さんは高いと思いますか?
それとも安いと思いますか?
多くの方は高いと感じると思います。
それは当たり前でこの銘柄は大きな下落を経験した後に、株価は回復し、このチャートの右端、つまり最新の時点では明らかにそれまでの株価水準と比較して高い株価で推移しているからです。
では、このチャートの右端の時点が割高かどうかを次のチャートで答え合わせをしていきましょう。
今お見せしていたチャートは2007年から2015年までのVTIのチャートでした。
そしてこのチャートは2007年から現在までのVTIのチャートで、赤枠で囲っている範囲が前のスライドでお見せしていた範囲です。
皆さんご存知の通り、米国市場は2015年以降も順調に成長していきました。
そして当時は割高に見えた株価も今見るとかなり割安なレベルになっています。
このように
例え今現在が割高に見えたとしても、必ずしも売るべきタイミングかどうかは分からない
ということが分かって頂けたかと思います。
売買の難易度が高い
そして、今が売り時ではないと考えている3つ目の理由は「そもそも売買は難易度が高い」という点が挙げられます。
このブログでは何度もお話ししている内容ですが、そもそも私たち人間にとって株式市場での売買はハードルが高すぎます。
株式投資の基本は「安く買って、高く売る」ですが、この基本ができる投資は多くはありません。
というのも、私たち人間には感情があり、その感情が投資の基本である「安く買って、高く売る」という行為を難しくさせているからです。
このグラフは株価の推移と私たちのその時々での感情を表しているものです。
株価が上がっているときは周りの投資家が儲かっているのを見て熱狂し、値上がりを逃すことが最大のリスクだと感じてしまい、高くても株を買ってしまいます。
一方で株が下落していくと周りの投資家が損をしているのを見て、自分も損をしたくないと焦り、リスク資産を保有していることが最大のリスクのように感じてしまいます。
このグラフは1993年から2015年までの株式投信への資金流出入とS&P500の12ヶ月平均リターンの推移を表しているグラフです。
青色の背景箇所がグラフの上半分に来ている時が資金が流入していることを表しています。
逆に青色背景箇所が下半分にある箇所が資金流出している箇所を表しています。
また赤色の折れ線グラフがS&P500の12ヶ月平均リターンを表しています。
このグラフをみるとSP500が好調の時は資金が流入し、SP500が不調な時は資金が流出していることが分かります。
投資家心理のグラフの通り、私たち個人投資家は「高く買って、安く売って」しまうということが過去の歴史から証明されてしまっている訳です。
以上が、私が最高値でも売り時ではないと考える3つの理由です。
短期売買を否定している訳ではない
ただ、こういった話をすると
「短期売買で成果を出している人もいる」
「自分は短期投資で大きな利益を得た」
という方もいらっしゃると思います。
ここで勘違いして頂きたくないのですが、
私は短期投資・短期売買を否定するつもりは全くありません。
実際にブログやツイッター、YouTube上でも短期売買で成果を出している方もいらっしゃいます。
私の知人でも短期売買で大勝ちして、アーリーリタイアした人がいます。
実際に短期売買で成果を出す人もいるので、短期投資が悪いというつもりは全くありません。
ただ、現実として、そういった短期売買で成果を出せているのはほんの一握りの人だけで、残りの大半の人は負けてしまっています。
勝っている人は「大勝ちした!」と発信しますが、わざわざ「爆損した!」と発信する人はそういう芸風のインフルエンサーくらいしかいません。
つまり、負けた人の情報は勝った人の情報に比べると目にする機会が少ないということですね。
宝くじでハズレくじを引いたと報告する人がいないのと同じですね。
私としては短期投資で勝つ可能性が有る限り、その人の選択の可能性を狭めたくはないので、否定することはありません。
ただ、
再現性という点では長期投資の方が優れていると考えているので、多くの方には長期投資を推奨しています。
まとめ
以上、いかがでしたでしょうか。
今回は「最高値を更新した今は売り時か?」というテーマについて、私なりの意見をお話ししてきました。
投資の手法や考え方、置かれている状況によって、当然判断は異なってきますが、皆さんの投資生活の参考になっていれば幸いです。
それでは皆さん、今日も素敵な1日をお過ごし下さい!