こんにちは、風見です。
今回は高配当株投資が好きな人に知って欲しい「見逃されているもう一つの選択肢」というテーマでお話ししていきたいと思います。
最近の高配当株投資はグロース株投資やインデックス投資に比べてトータルリターンが劣後していることもあり、高配当株投資家として今後の投資方針を悩まれている方も多いのではないでしょうか。
今回は主要な高配当株投資の方法、高配当株投資のメリット・デメリットをお話しした後に、私がオススメする代替案についてお話ししていきます。
- 「高配当株投資に興味がある」
- 「配当は嬉しいが高配当株のトータルリターンに不満がある」
- 「キャッシュを生み出す投資法が知りたい」
という方にとって有益な内容になっていると思いますので、ぜひ最後までお付き合い下さい。
↓Youtubeでは動画で解説↓
高配当株投資の代表的なやり方
それでは先ずは、主要な高配当株投資のやり方について簡単に紹介します。
高配当個別株
先ず代表的なものの一つとして、高配当個別株への投資が挙げられます。
日本株で言うとJT(7%)やKDDI(4%)、三菱商事(5%)など、米国株ではAT&T(7%)、アルトリアグループ(8%)、エクソンモービル(8%)などが挙げられます。
これらはあくまでも例ですが、高配当株は成長真っ盛りの企業というよりも、どちらかというと成熟産業の老舗企業が多い傾向にあります。
将来的に大規模な成長が見込まれるわけではありませんが、安定的にキャッシュを稼ぎ、それを配当として株主に還元してくれています。
個別高配当株投資はかなり高い高配当を受け取ることができるというメリットがあります。
一方で、個別企業の株価の変動が大きく、大きなキャピタルロスに繋がる可能性があるというデメリットもあります。
高配当株ETF
高配当株投資の手法として、次に高配当株ETFへの投資が挙げれらます。
例としては、VYMやHDV、SPYDなどが日本の投資家にも人気のあるETFだと思います。
個別株とは違い、通常時の配当利回りは3〜5%と個別株と比べるとそこまで配当利回りが高いというわけではありません。
一方でETFによって異なりますが、ETFに含まれる銘柄は80〜400銘柄ある為、個別株ほどの価格変動がなく、安定していると言えます。
REIT
最後にREITも高配当投資の手法の一つとして有力と言えます。
REITの投資対象は株式ではなく、不動産です。REITは利益の90%以上を配当として投資家に還元する仕組みがあるので、他のアセットと比較しても相対的に高配当となる傾向があります。
不動産投資はリスクが大きくなかなか手は出せないけど、アセットバランスのためにもREITに投資をするという人も多くいると思います。
高配当株投資のメリット
高配当投資の代表的な例として、個別株・ETF・REITをあげましたが、それぞれに共通するメリット・デメリットを紹介します。
先ずメリットとしては、次の2つが挙げられます。
売買せずに利確
先ず一つ目が、バイバイせずに利益を確定できるという点が挙げられます。
株式投資の中で最も難しい行為の一つが売却です。
株の売り時は投資手法に寄らず非常に難しいと考えています。
元本割れをしていて損切りしたと思ったら、株価が回復したり、利益が出ているから利確した途端に株価が上がり、残念な気持ちになったりします。
一方で高配当投資であれば、配当という形で小まめに利確ができるので精神的な負荷が小さいと言えます。
配当再投資による株数増
また、利確した配当を原資にして株数を増やすことができる点も大きなメリットです。
資産は株価×株数によって決まります。
一度利確した配当を再投資して株数を増やすことで、株価が上昇した時に資産拡大を助けてくれます。
高配当株投資のデメリット
一方でデメリットとしては次の2点が挙げられます。
配当への課税
先ず一つ目が配当には都度課税されてしまう点が挙げられます。
日本株であれば20%、米国株であれば現地課税で10%、その後日本で20%課税されてしまいます。
10万円の配当であれば2万円、100万円の配当収入があれば20万円が課税されるということになります。
現地課税分は確定申告によって一部戻ってきますが、そもそも確定申告をしないというけないというのもサラリーマンにとってはデメリットだと言えますね。
キャピタルゲインが期待できない
次に一般論として、高配当投資はキャピタルゲインがインデックス投資などに比べてもあまり期待できない点が挙げられます。
というのも、冒頭で少しお話しした通り、高配当株はどちらかというと成熟産業の老舗企業が多いからです。
今をときめくグロース株はもちろんですが、インデックス投資と比較してもキャピタルゲインが見劣りする傾向があります。
特にここ数年はハイテク産業を中心とするグロース株や主要米国株ETFと比較してトータルリターンでも大きく見劣りしていることから、少し前まで人気だった高配当株投資は「あまり良くない投資手法」という認識が広がりつつあります。
ただ、高配当株投資をしている人の目的は安定的なキャッシュを生み出してくれる資産の保有だと思います。
よって、個人的にはキャッシュを予定通り輩出してくれている限りは他人がどうこういう問題ではないと考えています。
全世界株投資信託で仮想配当株投資
ただそう言ってもトータルリターンの見劣りが顕著で投資手法に迷いが生まれている。
安定的なトータルリターンとキャッシュの両立を目指したいという方もいると思います。
そんな方に私がオススメしたいのが、全世界株式投信による仮想高配当株投資です。
やり方としてはシンプルでeMAXIS Slim全世界株式に投資し、定率売却サービスを利用するというやり方です。
詳しくは楽天証券のホームページなどを確認して頂きたいのですが、定率売却サービスは自身の保有している投資信託を指定する%分を自動的に売却できるというサービスです。
例えば、年間で4%の配当利回りが欲しいと思えば自分で年間4%になるように売却設定すればいいと言うわけです。
こうすることで年間4%の株式を保有しているのと同じようにキャッシュを受け取ることができます。
全世界株式という安定的な成長を期待できる資産を保有しつつ、毎年4%のキャッシュを手に入れることが出来ます。
メリット
この手法のメリットとしては、次の3つが挙げられます。
投資信託なので配当課税が抑えられる(投資効率が良い)
先ず一つ目は、キャッシュが必要ない時は分配金が出ないため、課税されず資産効率が良いという点が挙げれます。
高配当株ETFで配当を受け取っても、すぐに再投資するなら課税分投資効率は悪化してしまいます。
配当を投資以外の用途に使う必要がなく、再投資する場合は投資信託の方が効率がいいと言えます。
全世界投資なので長期的には5%ほどの安定成長が期待できる
メリットの2点目としては、全世界株インデックスへの投資は長期的には安定的に5%程度のトータルリターンが期待できる点が挙げられます。
高配当株投資家の中には配当はもらえているけど、含み損になってしまっているという人もいると思います。
特に個別株投資だと株価がズルズルと下がり続けて塩漬け状態になっているという人も多いと思います。
その点で全世界株投資は長期では安定的に成長が見込めるため、トータルリターンでも安定した運用収益が見込めます。
心理的負荷が小さい
そして3点目が全世界株投資は心理的な負担が小さい点が挙げられます。
特に個別株投資は暴落時にホールドし続けることが非常に難しいです。
「まだまだ下がるんじゃないか」
「減配されるんじゃないか」
「このまま保有していても株価は元に戻らないんじゃないか」
という不安から狼狽売りに繋がる可能性があります。
一方で全世界株投資は長期的な世界の成長さえ信じられていれば大丈夫なので、比較的心理的負荷が小さいと言えます。
デメリット
次にデメリットについても3つ紹介します。
最初に売却設定をする必要がある
先ず一つ目のデメリットは、最初に売却設定をする必要がある点が挙げられます。
手間としては私は全く気になりませんが、人によっては少し面倒だと感じる人がいるかもしれません。
4%以上の配当利回りだと資産が減少していく可能性あり
2点目のデメリットとしては、4%以上の配当利回りだと資産が減少していく可能性があるという点が挙げあれます。
米国のトリニティ大学が1926年から2017年までの91年間の長期間でシミュレーションした結果、4%ずつ資産を取り崩しても資産が減らなかったということを発表しました。
一方で5%の場合は30年後に30%の確率で資産が減ってしまっていたようです。
5%以上の利回りでは資産減少リスクがあるというのが2点目のデメリットです。
ベストパフォーマンスは狙えない
デメリットの3点目としては、トータルリターンではその時々のベストパフォーマンス資産には絶対に勝てないという点が挙げられます。
投資対象はあくまで全世界株なので、今であれば米国株、2000年代であれば新興国株の成績には劣後してしまいます。
トータルリターンが劣後してしまうということは、一部の投資家からマウントを取られ、投資方針がブレる可能性があるというのがデメリットだと思います。
今では米国株投資がベストでYoutubeやブログでも米国株が大正義の状態なので、私のように全世界株投資を主軸にしている人は少し肩身が狭いですよね。
全世界株投資をしている限りは肩を切って歩くことはできないという点はご了承ください。
まとめ
以上、いかがでしたでしょうか。
今回は高配当投資でキャッシュを得つつ投資をしたいという方に私がオススメできる「仮想高配当株投資」のやり方、メリット・デメリットを紹介させて頂きました。
この手法の良いところは途中まではインデックス投資で安定的に資産を築きつつ、資産を取り崩すライフステージになったときに、設定ひとつで切り替えられる点にあります。
あくまで投資手法、考え方の一つなのであくまで参考までですが、皆さんの投資ライフの参考になっていれば幸いです。
以上、最後までお付き合い頂きありがとうございました。
それでは皆さん、今日も素敵な1日をお過ごしください。