投資信託・ETF

【米国株】高配当ETFのHDVは今が買い時か【VYM/SPYD比較】

こんにちは、風見です。

今回は「比較的割安な状態の高配当株ETFであるHDVに投資をすべきかどうか」というテーマでお話ししていきたいと思います。

先日このようなツイートをしました。

👑配当重視のHDVは買い時なのか?

🔽HDVって高配当ETFの中でもちょっと異質な散財ですよね

ほぼアクティブファンド

売買回転率が高すぎる

スマートベータETF

S&P500と比べて出遅れ感はあるけど、割安さに惹かれて投資するのはNG

投資の目的を整理してトータルリターン<配当ならOKですね☺️

このような内容です。

今回はこのツイート内容を深掘りしつつ、お話ししていきます。

  • HDVへの投資を考えている
  • HDVの強み・弱みを知りたい
  • HDVの今後の見通しについて知りたい

こういった方にとって非常に有益な記事になっていると思いますので、ぜひ最後までお付き合い下さい。

最初に簡単に自己紹介させて頂きます。

わたしは給与所得を全世界株式への投資に回して、一部を米国株式ETFや個別株に投資しています。

ポートフォリオのざっくりとした内訳はこの円グラフの通りです。

個別株にも投資をしていますが、基本的にはインデックス投資を主軸においた運用をしています。

高配当株ETF HDVとは?

それでは先ずは高配当株ETFであるHDVの概要をざっくりと紹介します。

HDVは資産運用額が世界No.1のブラックロック社の商品で正式名称をiシェアーズ•コア米国高配当株ETFと言います。

設定日は2011年と同じ高配当株ETFであるVYMの2006年と比べるとできて間もないETFです。

純資産は57億ドルとなっており、VYMが265億ドル、SPYDが20億ドルなので多くもなく少なくもないくらいのイメージですね。

ただ、57億ドルという数値自体は絶対値としてはETFの資産額としては十分なレベルだと思います。

経費率は0.07%となっており、日本で買えるメジャーな投資信託と比べるとかなり低い経費率だと言えます。

日本の現時点での最安値は0.09%です。

配当利回りは通常時は3.5%前後でSP500連動ETFであるVOOが2%前後なので、市場平均を上回る配当利回りとなっています。

組入銘柄数は75となっており、VYMの400社と比較すると少ないですが、個別株投資の時の推奨分散基準が10−20銘柄なので、75社という数値は銘柄数としては十分に分散できていると思います。

HDVの3つの特徴

次にHDVの特徴を3つ紹介します。

インデックス連動だけど、実質アクティブファンド

HDVの特徴としては、一応インデックス連動ETFであることには間違い無いのですが、ベンチマーク指数がモーニングスター配当フォーカス指数で、実質的にはアクティブファンドみたいなイメージです。

この指数のポイントとしては次の3つです。

1点目が、事業安定性が高いか

2点目が、ビジネスの継続性

3点目が、安定的に配当が出るか

この3つです。

この3つの評価軸をベースにアナリストが分析し、投資対象を選別することになるので、やはりアクティブファンドに近いですよね。

私の中でHDVは「かなり信託報酬が安いアクティブ高配当ETF」という位置付けです。

売買回転率が高い

もう一つの特徴が売買回転率の高さです。

売買回転率とは簡単にいうと、「1年間のうちにどれだけ銘柄を入れ替えたか」ということです。

HDVの回転率は60%となっており、圧倒的に高いです。

VYMが10%、VOOが5%程ですから、1年の間でかなりの銘柄入れ替えをしていることがわかります。

スマートベータETF(配当加重平均指数)

特徴の3点目としては、銘柄の比重が時価総額加重平均ではなく、配当加重平均で構成銘柄の比率を決めている点が挙げられます。

時価総額加重平均というのは、最もスタンダードな方法の一つで、代表的な指数ではS&P500などが挙げられます。

時価総額の大きさによって銘柄ごとの構成比率が決められるという方法です。

一方で、

配当加重平均とは支払った配当を基準に比率を決める方法です。

マイナーな方法ではありますが、ペンシルベニア大学の教授で、投資家の聖書とも言える「株式投資の未来」ジェレミーシーゲル教授の調べによると1964年から2005年までの米国株すべての配当加重平均による利回りは時価総額加重平均を上回ったそうです。

優劣はその時々によりますが、要は配当を重視したETFということですね。

HDVの構成銘柄TOP10&セクター構成

それでは、次にHDVのセクター比率と構成銘柄上位10社をみていきましょう。

先ずセクター構成として最も比率が高いのは、ヘルスケアセクターで全体の22%となっています。

次に大きなセクターがエネルギーセクターで全体の約20%となっています。

実はコロナショック前はエネルギーセクターが1位でヘルスケアが2位だったのですが、この3ヶ月でセクター構成に入れ替わりが発生しました。

第3位は通信セクターとなっています。この3つのセクターだけで全体の6割ほどを占めており、かなりディフェンシブに偏った構成になっています。

構成銘柄上位10社はAT&T、Exxon、Johnson&Johnson、Coca-Cola、PepsiCoなどの有名・優良銘柄が独占しており、これら10社が全体に占める比率が約6割とセクター構成と同様にかなり偏った構成になっていることが分かります。

上位5社の概要紹介

HDVのパフォーマンスを見ていく前にHDV構成上位5社を簡単に紹介します。

AT&T

構成銘柄第1位のAT&Tはアメリカの大手通信会社の一角の企業です。

通信事業を主力としながらも、タイムワーナーやディレクTVを買収するなど積極的な事業の多角化を目指しています。

AT&Tは連続増配年数が30年以上の配当貴族銘柄でありながら、高配当なので、個別株としても高配当株投資家に人気の銘柄です。

3月の暴落以降は元の水準には戻り切れていません。また直近5年間の株価パフォーマンスは低調に推移しています。

Exxon Mobil

構成銘柄第2位のExxon Mobilは石油メジャーの一角の超巨大企業です。

石油メジャーとは石油の採掘から販売までを全て取り扱う会社のことです。

ExxonMobilは同じ石油メジャーのchevronやロイヤルダッチシェルよりも業績・キャッシュフローが安定していることから投資家にも人気の銘柄です。

Exxon MobilもAT&T同様に30年以上連続増配を継続している配当貴族銘柄です。

AT&Tと同様に暴落後も低い水準で推移、直近5年間の株価も停滞しています。

Johnson&Johnson

構成銘柄第3位のJohnson&Johnsonは医薬品・ヘルスケアセクターの最大手企業で、安定的な業績が持ち味です。

株価パフォーマンスも非常に優秀ですが、連続増配50年以上の配当王銘柄でもあります。

コロナ禍でも安定的な業績推移を見せているのは、ヘルスケア最大手としての力強さだと思います。

Johnson&Johnsonは暴落後は比較的短期間で回復、直近5年のリターンも悪くない推移を見せてきました。

Verizon

構成銘柄第4位のVerizonはAT&Tと同様にアメリカの通信事業最大手の一角です。

AT&Tよりも配当利回りが低く、連続増配年数も15年と短いですが、財務面でAT&Tよりも底堅いことから高い評価を得ている銘柄です。

Verizonの株価は回復傾向にはありますが、暴落前には戻っていない形です。直近5年のリターンは市場平均には少し劣後しています。

Pfizer(ファイザー)

構成銘柄第5位は世界最大級の売り上げ規模の製薬大手、Pfizerです。

JNJは一般消費者向けの製品を数多く取り扱っていますが、Pfizerは医薬品がその事業の大半となっています。

特許切れなどが業績に与える影響は大きいですが、M&Aを生かした事業拡大を続けている企業です。

連続増配年数は10年です。

株価は暴落前の水準に近いところまで回復してきています。

直近5年の株価はほぼ横ばいという結果でした。

上位5銘柄だけを見ると直近5年間の株価パフォーマンスはSP500に劣後していそうですね。

投資パフォーマンス比較(vs VYM SPYD)

それでは次に、HDVのパフォーマンスを高配当ETFのVYMやSPYD、S&P500と比較してみていきましょう。

左側のグラフは2016年1月から2020年7月末までの投資収益の推移を表しています。

青色の折れ線がHDV、赤がVYM、黄色がSPYD、緑がS&P500を表しています。

このグラフを見て頂いてお分かり頂ける通り、直近5年の高配当株ETFのパフォーマンスは市場平均から大きく劣後してしまっています。

S&P500の年率リターンが12.92%なのに対して、HDVは6.4%、VYMは7.6%、SPYDは3.7%と下回っています。

変動の幅を示す標準偏差はS&P500が14.6%なのに対して、HDVは14.5%とほぼ同等のレベルですが、コロナショック時の最大下落幅は、S&P500が36%の下落だったのに対して、HDVは38%の下落と市場平均を上回る下げとなりました。

HDVは大きな下落を経験してこなかったので、下落耐性は未知数なところがありました。

ただし、一般論として不況時でもエネルギーやヘルスケアセクターは底堅さを見せてきたことから、下落に強いと言われていました。

今回の下落は、いつもの金融ショックではなく、ロックダウンで実生活にこれまでにないレベルで大きな影響を与え、特に原油安の影響も受けたエネルギーセクターがむしろ足を引っ張ってしまう形になりました。

また、高配当株ETFはいずれも下落からの回復が遅れており、特に最近は厳しい状況に置かれていると言えます。

高配当HDVへの投資メリット・魅力

ここまでで、HDVの特徴や構成銘柄、過去5年のパフォーマンスを見てきましたので、一旦HDVへの投資のメリットとデメリットという形でまとめたいと思います。

配当利回りが高い

先ず1つ目のメリットとしては、やはり配当利回りが高いことが挙げられます。

70以上の銘柄に分散しつつ、3%以上の配当利回りを継続している点は株で不労所得を形成していきたい投資家にとっては大きなメリットです。

高配当銘柄と言えば、日本で言うと少し前の日産のようにいわゆる「罠高配当株」が含まれていそうですが、HDVはビジネス上の競争力が強く、財務的にも優良な企業を選別しますので、その点も安心だと思います。

また、今回の暴落でも3月、6月の配当は前年同期比で増配していることからも、インカムゲイン狙いの投資家のニーズは満たしているのではないかと思います。

分散が効いている

2点目のメリットとしては、これはETF全般に言えることですが、構成銘柄が70社以上で十分に分散しており、個別株特有のリスクが低減できている点もメリットに挙げられます。

HDVの構成銘柄のなかで、今回の下落で無配化した企業はわずかに3社でした。

また全体に占める構成が非常に少なかったこともあり、全体への影響はほぼありませんでした。

配当狙いの投資家が最も嫌のことの一つが無配化ですが、70位上の銘柄に分散投資ができているHDVは無配化の心配がほぼ必要ない点が魅力だと言えます。

経費率が低い

次に経費率が低い点も大きなメリットです。

いくら高配当でも信託報酬が高くては旨味が薄れますから、0.07%というコストは非常に魅力的です。

またHDVは実質アクティブファンド的な要素が強く、売買回転率も一般的なETFと比べると数倍高い中でこの経費率に抑えられている点は魅力だと言えます。

HDVへの投資デメリット・懸念点

ここまでHDVのメリットをお話ししてきましたので、次にデメリット・懸念点をお話しします。

エネルギーセクターの比率が高い

先ず最初にHDVはエネルギーセクターの構成が全体の20%と非常に高い点が懸念点として挙げられます。

市場平均のS&P500の中でのエネルギーセクターの比率はわずか2.83%です。

エネルギーセクターは今回の暴落に限らずに、直近10年以上で市場平均に劣後し続けているので、上昇相場での上げの弱さに繋がることが懸念されます。

TOP10銘柄の比率が高い

次に上位10銘柄が全体に占める比率が高い点も懸念点と言えます。

この記事の前半部分で見た通り、上位10銘柄は基本的には優良銘柄が多いのですが、それでもAT&TやExxon Mobilは全体の10%ほどを単体で占めるので、これらの銘柄で減配や大幅な株価下落があった場合は影響をモロに受けてしまう点が懸念点だと考えています。

日米での配当への二重課税

懸念点の3つ目は、HDVに限った話ではありませんが、日米両国で配当に対して課税される点が挙げられます。

先ずアメリカで10%課税された後に日本で約20%課税されてしまいます。

もちろん確定申告で取り戻すことは可能ですが、そもそもサラリーマンは確定申告が必要ないので、プラスアルファの手間になってしまいますし、確定申告をしても全額戻ってこないケースもあるので、ここでは懸念点として挙げています。

HDVの今後の見通し

このような強みや弱みがあるHDVですが、今後どのようなパフォーマンスになるか、その見通しを次の通り2点でまとめました。

株価は市場平均に対しては劣後する

先ず1点目としては、株価は今後も低調に推移し、市場平均に対しては劣後すると考えています。

というのも、懸念点のところでお話しした通り、やはりエネルギーセクターの構成が高いので、それが株価の上昇の足かせになると予想しています。

ロックダウンが解除されても、人々が世界中を旅したりするような状況に戻るのには、まだ時間が必要だと思います。

元の世界に戻るかも分かりませんが、少なくとも元のレベルに戻るまでは低調なパフォーマンスに推移すると考えています。

安定的な高配当を期待できる

株価は市場平均に劣後したとしても、配当は安定的に高配当を維持することが見込まれます。

というのも、HDVは独自の基準ではありますが、財務健全性と配当余力を重視した銘柄選定基準を持っています。

ExxonMobilの減配が心配ではありますが、長期的には安定的な高配当が見込めると考えています。

HDVに投資すべきかどうか

では、最後にHDVに、「今」投資すべきかどうかをお話ししたいと思います。

当たり前の結論になってしまってしまいますが、株価パフォーマンスではなく、現時点での配当を重視した投資を考えている人にはおすすめだと思います。

一方で、株価も含めたトータルリターンを重視する、もしくは気になってしまうという人にはあまりおすすめできません。

当たり前に聞こえるかもしれませんが、重要なポイントだと思います。

バリュー投資感覚で割安だから買いに向かうという姿勢はあまりオススメできません。

というのも、バリュー株投資はグロース株投資と同じで重視するのはトータルリターンです。

その違いは現在の割安性を重視するか、将来の成長性を重視するかの違いですが、本質的なところは変わりません。

一方で、高配当株投資はその性質が大きく異なります。

高配当株投資家が最も重視するのは、キャッシュイン、つまり配当です。

配当しかKPIにしないという人であれば、今投資をしても問題ないと思います。

一方で、今現時点で配当による不労所得は、そこまで必要ではなく、配当を再投資する予定の人は税制面で有利な投資信託で運用することをオススメします。

定期的なキャッシュインが欲しくなったタイミングで投資信託の定期売却サービスで不労所得を受け取るのも選択肢の一つになると思うからです。

さいごに

以上、いかがでしたでしょうか。

今回は少し長い内容になってしまいましたが、HDVの概要や特徴、強み・弱み、過去のパフォーマンス、投資判断をお話ししてきました。

あくまで私個人の意見として受け止めて頂きたいのですが、皆さんの投資生活の参考になっていれば幸いです。

それでは皆さん、今日も素敵な1日をお過ごし下さい!

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