こんにちは、風見です。
今回は「今、投資をするなら、バリュー株とグロース株はどちらに投資するの良いのか」というテーマについてお話ししていきたいと思います。
先日このようなツイートをしました。
https://twitter.com/hirofumi_kzm/status/1293427257730465793
👑バリュー株はもうオワコン?
最近はバリュー株投資への風当たりが厳しくなってますね。
🔽バリュー株がオワコンだと言われる理由
- 直近のリターンがグロースに劣後している
- バリュー株投資の代表的な存在のバフェット氏も低調
- コロナショック時や回復期の今も低調なリターン
確かに直近のリターンはグロース株に劣っているけど、長期で見ると必ずしも劣っていないですよ✨
こういった内容です。
今回はこのツイートの内容を深掘りする形でお話ししていきたいと思います。
あらかじめお断りしておきますが、私は特にグロース株投資をオススメしたいわけでもバリュー株投資をオススメしたいわけでもありません。
なぜなら、一概にどちらが優れていてどちらが劣っているとは考えていないからです。
今回はどちらかの考えに偏っている方や不安になっている方の参考になればと思い、記事にしました。
- 「グロース銘柄のリターンは良いけど割高に感じて不安に思っている人」
- 「バリュー銘柄の低調なリターンを不安に感じている人」
にとって有益だと思うので、ぜひ最後までお付き合い下さい。
最初に簡単に自己紹介させて頂きます。
わたしは給与所得を全世界株式への投資に回して、一部を米国株式ETFや個別株に投資しています。
ポートフォリオのざっくりとした内訳はこの円グラフの通りです。
個別株にも投資をしていますが、基本的にはインデックス投資を主軸においた運用をしています。
バリュー株・グロース株投資とは
はい、それでは本題です。先ずはバリュー株、グロース株投資とは何かという前提とそれぞれの代表的な銘柄例をご紹介します。
グロース株とは
先ずはグロース株投資について、簡単に説明します。
グロース株投資とは、
現在の企業価値から成長することで株価が上昇し、将来、十分な利益を取れそうな銘柄に対して投資をする手法のこと
です。
現在の株価が割高であったとしても、将来的にもっと成長するなら投資をすることになります。
具体的な銘柄としては、FAANGやSaaSと言われる銘柄などが当てはまります。
これらの銘柄はPERといった既存の指標で見ると明らかに割高ですが、将来しっかりと成長期待通り、もしくは期待以上に成長してくれれば利益が取れることになります。
バリュー株とは
次にバリュー株投資とは、現在の企業価値よりも株価が下回った時に投資をする手法のことです。
バリュー株の具体的な銘柄としては、通信最大手のAT&Tやたばこ銘柄のAltriaなど、一般的には成長期を過ぎた老舗的な企業が該当するケースが多いです。
グロースとバリューの共通点
グロース株とバリュー株を一言でまとめると、グロース株投資は将来の成長性を重視している投資手法のことで、バリュー株投資は現在の株価の割安性を重視する投資手法と言えます。
ただ、これはどちらにより重点を置くかという差であって、どちらかを無視した投資法ではないと考えています。
例えば、バリュー株投資家は現在の株価の割安性を重視しつつも、潜在的な将来成長性が全くない銘柄には投資はしないと思います。
逆もまた然りです。
二つの投資手法は重視するポイントは違いますが、共通しているのは、
投資の目的が株価と配当を含めたトータルリターン
だということです。
高配当株投資の場合は、トータルリターンではなくインカムゲインの最大化を目指しますが、グロース株とバリュー株投資は両方ともトータルリターンの最大化を狙った投資です。
直近5年の投資収益比較
それでは次に、バリュー株とグロース株の直近5年間のリターンの差を見ていきたいと思います。
今回はバンガード社のVTVというETFとVUGというETFを使ってリターン実績をみていきます。
VTVはバンガード・米国バリューETFという名前で、350銘柄で構成されたETFです。
VUGはバンガード・米国グロースETFという名前で、270銘柄で構成されています。
左側のグラフは2015年から2020年7月末までの間のVTV、VUG、VOOの投資収益の推移を表しています。
青色の折れ線がValueETFのVTV、赤色がGrowthのVUG、黄色が市場平均のVOOです。
このグラフを見て明らかなように、直近5年ほどのリターンはグロース株の圧勝でした。
年率平均リターンはVTVが6.4%、VUGが15.4%と圧倒的な差が生まれてしまっています。
一方で投資の世界ではリスクと表現される標準偏差はVTVが14.5%なのに対してVUGは15.6%とそこまで差がありません。
下落に対する投資効率を示すソルティノレシオもVTVが0.6なのに対してVUGは1.55とバリュー投資が完敗しています。
また2020年のコロナショック時も月間ベースの下落幅がVTVが25%下落したのに対して、VUGは16%と下落幅はかなりマイルドでした。
またその後、VUGの方は株価は急速に回復し過去最高を更新していますが、バリュー株のVTVの回復はかなり遅れてしまっています。
このように直近のリターンでは圧倒的にグロース株が優れていることから、最近のブログやYouTube、Twitterではグロース株、Saas銘柄が人気になっています。
長期リターン比較
直近のリターンではグロース株の圧勝でしたが、長期でのリターンではどうでしょうか。
このグラフは1981年から2017年末までのグロース株とバリュー株のリターンを比較したものです。
青色の折れ線が0より上にある期間の背景が灰色になっています。
この期間はバリュー株がグロース株にアウトパフォームした期間を表しています。
このグラフを見ると確かに2015年以降どころか、ここ10数年はバリュー株がグロース株に劣後しているということが分かりますが、その以前はバリュー株の方がいい時期もあることが分かります。
また、こちらのグラフは1928年以降の小型バリュー株、大型バリュー株、小型グロース株、大型バリュー株の推移を表していますが、バリュー株の方が優れたリターンとなっています。
トータルでの投資収益は切り取る期間によって異なる景色になるため、一概にバリューの方が良いとは言うつもりは全くありませんが、少なくともバリュー株投資が歴史的にグロース株、もしくは市場平均に劣後するわけではないと言うことがお分かり頂けたのではないでしょうか。
今後の投資方針
ここまでで、バリュー株投資・グロース株投資の概要や特徴、それぞれの短期・長期でのリターンの推移を見てきましたので、今後の投資をどうするべきかというテーマに対する私の意見をお話ししたいと思います。
ここまでの内容から、2通りの選択肢があるのかなと考えています。
自身の投資方針に基づいた手法を継続する
先ず一つ目の考え方としては、「現段階で明確な投資方針があるなら、その方針通りに一貫した投資を行う」ということです。
先ほど短期・長期でのリターンで見た通り、これまでの投資収益はどちらが絶対的に良くてどちらが絶対に悪いという傾向は見られませんでした。
どちらの手法でも長期的に継続できればリターンに繋がる蓋然性は高いと言えると思います。
一方で注意しないといけないのは、調子が良い方にコロコロと投資手法を変えるのはやめておいた方が良いと思います。
というのも、私たちはついつい儲かっている話に乗ってしまいがちですが、そういった投資家心理に従うとろくなことがありません。
このグラフは投資家心理を表していますが、株価が上がって周りが儲かっている時は自分も波に乗り遅れたくないと熱くなり、高い値段で買い、株価が下がったタイミングで、これ以上は損をしたくないという気持ちから安く売ってしまいます。
グロース株・バリュー株どちらの投資手法でも問題ないとは思いますが、コロコロと投資手法を変えるのはダメだとは言いませんが、十分に注意した上でやるようにしましょう。
両方に投資する
2つ目の考え方として「グロース株もバリュー株もいい時もあれば悪い時もあるなら、両方、つまり市場平均に投資をしておく」というものです。
特に投資に対して強いこだわりがない場合は、正直バリュー株投資にこだわる必要もグロース株投資にこだわる必要もないかと思います。
もちろん、市場平均はあくまで平均的なリターンに留まってしまう為、その時のベストな投資には劣ってしまいます。
しかし同時に失敗する可能性も低くなります。
尖った投資をしたいなら話は別ですが、特段こだわりがないのなら、グロースとバリューどちらの銘柄にも投資ができるVOOやIVV、VTIに投資をするのが良いと思います。
まとめ
以上、いかがでしたでしょうか。
今回は最近ひどい言われようのバリュー株投資も長期的にはそこまで批判されるようなリターンだったわけではないということ。
また今後必ずしもグロース株投資がバリュー株や市場平均をアウトパフォームし続けるわけではないと思うということをお話ししてきました。
バリュー株投資にするか、グロース株投資にするかということよりも暴落時に投資をやめないことの方が重要だと考えています。
今回お話しした内容はあくまで私の個人的な意見ではありますが、皆さんの投資生活の参考になっていれば幸いです。
以上、最後までお付き合い頂きありがとうございました。
それでは皆さん、今日も素敵な1日をお過ごし下さい!